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Macに対応していないUSB無線LANアダプタを使う

■Mac非対応のUSB無線LANアダプタを、MacOS Xで使う■

当治療院で使用中の、Apple製のMac mini(late 2005)ですが、予備機に格下げしたのを機会に、無線LAN環境を変更してみる事にしました。
PowerPC搭載のMacについては、内蔵無線LANはIEEE802.11b(11Mbps)とIEEE80211g(54Mbps)にしか対応していません。
2009年9月に正式規格として認定されたIEEE802.11n(150Mbps or 300Mbps)をPowerPCのMacで使う為には、AirMac Expressを使うか、Macに対応している数少ない無線LANアダプタを使う必要があります。
そこで、量販店でも良く見かけるBuffalo社の製品から、送受信の感度も良く評判の良い「AirStation WLI-UC-GNHP」を使う事にしました。

ただし、この製品は、Windowsにしか対応しておらず、Macのドライバは提供されていませんから、そのままでは使えません。
WLI-UC-GNHP、その1
やや長めの本体に、L字型のアダプタが付きます。

WLI-UC-GNHP、その2
通電すると、青いLEDが光り、通信中は点滅します。


■RalinkのMacOS X用ドライバ■

さて、では、どうすれば、MacでBuffalo AirStation WLI-UC-GNHPを使えるのか?
この製品には、Ralink社のRT2870というチップを使用しています。
このRT2870用のMacOS Xドライバは、RalinkのWebサイトで公開されています。
「な〜んだ、Ralinkのドライバを使うだけか」と思われた方、早まらないで下さい。
このドライバを、そのまま入れても、MacでWLI-UC-GNHPを認識しません。
ドライバを改造して、WLI-UC-GNHPを認識出来るようにする必要があります。


■Ralinkのドライバを改造■

具体的に、Ralinkのドライバ(ver 3.0.0.0)を改造して使う方法です。
MacOS X 10.5 Leopardを例にして説明しますが、基本的にMacOS X 10.3 Panther、10.4 Tiger、10.6 SnowLeopardでも、同様の手順ですし、ドライバがバージョンアップしても、基本は同じです。

※ 追記
問い合わせが多いので、一応、ver 3.0.0.0ドライバを置いておきます。


■とりあえず、ドライバをインストール

1.Ralink社サポートページに行く
※ 追記
現在メーカーで配布しているVer 4.0以降は、MacOS X 10.3 Pantherのサポートが打ち切られましたので、10.3で使用したい方は、こちらのver 3.0.3.0 ドライバをお使い下さい。
また、Ver 4.0以降だと、PowerPC搭載のMacでは正常に動かない事がありますので、その場合もver 3.0.3.0をお使い下さい。(PowerPC対応MacOS Xの最終版 10.5 Leopardまで対応しています)

※ 追記 その2
現在メーカーで配布しているVer 4.1.8以降は、MacOS X 10.4 Tigerのサポートが打ち切られましたので、10.4で使用したい方は、上記のver 3.0.3.0を使用するか、こちらの10.4対応最終バージョンのver 4.1.6.0 ドライバをお使い下さい。

2.Macintoshの項目の中の「USB(RT2870 /RT2770 /RT307X /RT2070 /RT3572)」を見つけてダウンロードします。
Ralink Webサイト
(※ ダウンロード時には、名前とメールアドレスを記入する必要があります)

3.ダウンロードしたdmgファイルをダブルクリックして展開します。

4.解凍したイメージの中にUSBWireless-10.3 から USBWireless-10.6のフォルダがあるので必要なバージョンを開きます。
USBWireless-10.5
(※ 今回はMacOS X 10.5なので、「USBWireless-10.5」)

5.「USBWireless-Leopard.pkg」をダブルクリックして画面の指示に従ってインストールし、再起動します。
USBWireless-Leopard.pkg


■インストールされたドライバを見つけてコピーする

6.再起動したら、インストールされたドライバを探します。

7.起動ボリュームを開いて、System(システム)/Library(ライブラリ)/Extensionsを開きます。

8.「RT2870USBWirelessDriver.kext」というドライバファイルを探し、デスクトップ等にコピーします。
RT2870USBWirelessDriver.kext
(※ この時、管理者パスワードの入力が必要です)

9.デスクトップにコピーしたファイルを、さらにコピーして、必ず、バックアップを作成しておきます。


■いよいよ、ドライバの改造

10.デスクトップにコピーした「RT2870USBWirelessDriver.kext」を右クリックし、「パッケージの内容を表示」を選択。
パッケージの内容を表示

11.ウインドウが開いたら、「Contents」フォルダを開き、「info.plist」を見つけてデスクトップ等にコピーします。
info.plist

12.コピーした「info.plist」をテキストエディットで開きます。
(※ 記述内容はxml書式と同様です)

13.各機器の認識情報は、

<key>IOKitPersonalities</key>
<dict>

という行以下の部分に、以下のような書式で記述されています。

<key>メーカー名と略称</key>
<dict>
<key>CFBundleIdentifier</key>
<string>com.Ralink.driver.RT2870USBWirelessDriver</string>
<key>IOClass</key>
<string>RT2870USBWirelessDriver</string>
<key>IOProviderClass</key>
<string>IOUSBDevice</string>
<key>idProduct</key>
<integer>機種のID(10進数)</integer>
<key>idVendor</key>
<integer>メーカーのID(10進数)</integer>
</dict>

info.plist書式

14.Buffaloの製品は、ver 3.0.0.0ドライバでは、

<key>Buffalo-2870-1</key> → WLI-UC-G300N
<key>Buffalo-2870-2</key> → WLI-UC-G300HP
<key>Buffalo-2870-3</key> → 機種不明
<key>Buffalo-3070</key> → WLI-UC-GN

この4つが記載されています。

15.Buffalo WLI-UC-GNHPは、RT2870を使用しているので、

名称:<key>Buffalo-2870-4</key>
機器ID: <integer>344</integer>
メーカーID:<integer>1041</integer>

として書き足します。

<key>Buffalo-2870-4</key>
<dict>
<key>CFBundleIdentifier</key>
<string>com.Ralink.driver.RT2870USBWirelessDriver</string>
<key>IOClass</key>
<string>RT2870USBWirelessDriver</string>
<key>IOProviderClass</key>
<string>IOUSBDevice</string>
<key>idProduct</key>
<integer>344</integer>
<key>idVendor</key>
<integer>1041</integer>
</dict>

Buffalo-2870-4

16.必要な記述を終えたら、ファイルを保存します。


■改造したドライバの組み込み

17.編集したinfo.plistを、デスクトップにコピーしたドライバの元の場所に、上書きコピーします。

18.info.plistを書き換えた「RT2870USBWirelessDriver.kext」を、System(システム)/Library(ライブラリ)/Extensionsの中に上書きコピーして戻します。
(※ この時、管理者パスワードの入力が必要です。)

19.Extensionsフォルダ内に戻した「RT2870USBWirelessDriver.kext」を右クリックして、「情報を見る」を選択します。
情報を見る

20.アクセス権が以下のようになっているか確認し、違っている場合は、右下の鍵マークをクリックして、変更します。
 ・システム:読み/書き
 ・wheel:読み出しのみ
 ・everyone:読み出しのみ
アクセス権

21.アクセス権を確認した「RT2870USBWirelessDriver.kext」を右クリックし、「パッケージの内容を表示」を選択します。

22.「Contents」フォルダを右クリックし、「情報を見る」を選択します。

23.アクセス権が以下のようになっているか確認し、違っている場合は、右下の鍵マークをクリックして、変更します。
 ・システム:読み/書き
 ・wheel:読み出しのみ
 ・everyone:読み出しのみ

24.更に、ウインドウ下の歯車マークをクリックし、「内包している項目に適用」を選択します。
※ 追記
MacOS X 10.3 Pantherでは、「内包している項目に適用」ボタンをクリックしても、正常にアクセス権の変更内容が適用されません。
そのため、Contentsフォルダを含め、内包するフォルダとファイルのアクセス権を、一つ一つ修正して下さい。
内包している項目に適用

25.念のため、ディスクユーティリティで「アクセス権の修復」をしてから、再起動します。
アクセス権の修復


■WLI-UC-GNHPの接続と設定

26.再起動したら、USBポートにWLI-UC-GNHPを接続します。
(注意:再起動する前に接続すると、Macが起動しなくなります)

27.ドライバの改造が正常に出来ていれば、Ralinkの無線LANユーティリティが自動的に起動し、受信範囲内のアクセスポイントを表示します。
無線LANユーティリティ

28.接続したいアクセスポイントをクリックして選択し、右下の「プロファイルを追加」をクリックします。
プロファイルを追加

29.プロファイルのシステム設定画面が開いたら、
 ・プロファイル名:デフォルトではPROF1、PROF2等
 ・SSID:接続したいアクセスポイント
 ・省電力モード:CAM(常時作動モード)
 ・ネットワークタイプ:インフラストラクチャモード
 ・Txパワー:100
このように選択して、「認証とセキュリティ」ボタンをクリックします。
システム設定画面

30.使用するアクセスポイントの認証方法、暗号化を選択し、プレシェアードキーの欄に、アクセスポイントの接続用パスワードを入力して、「OK」をクリックします。
認証とセキュリティ画面

31.プロファイル画面が表示されるので、右下の有効化をクリックします。
プロファイル画面

32.システム環境設定の「ネットワーク」環境設定を開いて、USB Ethernet (en2)が認識されている事を確認し、アクセスポイントに合わせて「DHCPサーバを参照」等、適宜に設定します。

33.Macを再起動します


■いよいよ、WLI-UC-GNHPでネット接続

33.再起動すると、Ralinkの無線LANユーティリティが起動して、接続しているアクセスポイントを緑のアイコンで表示します。
接続しているアクセスポイント

34.「リンク状況」をクリックすると、接続のリンク品質や電波の強さの状態等を確認出来ます。
リンク状況

35.システム環境設定の「ネットワーク」環境設定を開いて、USB Ethernet (en2)の状態を確認します。
USB Ethernet (en2)の状態

36.これで、設定は終わりです。


■面倒な作業をしたくない方は?■

さて、上記のような面倒な作業をせずにUSB無線LANアダプタを使いたい方は、14.の項目に記述してあるとおり、Ralinkのver 3.0.0.0ドライバで、動く機種を買えば良いだけです。
AirStation NFINITI Giga 11n対応 11g/b USB2.0用 無線子機
WLI-UC-G300N (販売終了)

この機種は、地雷のようですので、オークション等で販売されていても手を出さないほうが無難です。

BUFFALO Air Station NFINITI HighPower 11n/g/b USB用 無線子機 WLI-UC-G300HP
300Mbps対応機種ですが、アンテナの設計に無理があるようで、メーカーが宣伝している程のハイパワーではありません。

BUFFALO Air Station NFINITI 11n/g/b USB用 無線子機 WLI-UC-GN
そこそこの感度の300Mbps対応機種です。

通信の感度と品質を考えるのなら、やはりドライバの改造が面倒でも、
BUFFALO Air Station NFINITI HighPower 11n/g/b USB用 無線子機 WLI-UC-GNHP
を購入するほうが、無難だと思います。

なお、同様のレビューを某価格比較サイトにも掲載してありますが、より詳しい手順を公開する為に、このページを作成しました。


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小児鍼(小児はり)や、跡の残らない温灸治療も行ないます
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